二世帯住宅の1階をリフォーム
夫婦が自分の時間を楽むための快適な家に
・所在地 東京都練馬区
・延床面積 222.27㎡(役69坪)
・家族構成 夫婦
・施工会社 内田産業(株)
・担当者 湯下奈津子
70代のご夫婦。 二世帯住宅の2階に住んでいたが、ご両親を見送ったことをきっかけに、1階で暮らすためのリフォームを実行した。
玄関の位置を変え、細かく区切られていた和室とキッチンを広いLDKに変更。
各所に新しい窓を作り、リビングの天井を小屋裏まで上げて明るくした。
収納を充実させたので片づけやすい家になり、奥様が趣味を楽しむためのアトリエやご主人の書斎スペースも設けた。
耐震性能を高め、窓・床・壁の断熱化もはかった。
■ リフォームのポイント ■
- 2世帯用の住宅を、夫婦で暮らすための住宅に変更
- 耐震診断により耐震性を高める
- 窓を高断熱窓に変え、床と壁の断熱材も入れ直す
- 通りに面している玄関の位置を変えて緑のアプローチを作る
- 暗い1階を明るくする
- 和室をつぶして広いLDKをつくる
- 片づけをラクにするための収納スペースの充実
- 趣味を楽しむためのスペースづくり
■ アプローチと玄関
アプローチを楽しく
塀と枕木で雁行させ、玄関扉が見えないように計画した。
狭い敷地周りが緑を楽しむ楽しいアプローチになった。
新しく庇と階段を設けた玄関ポーチ。 右手前の中庭にも続いている。
玄関ドアを開けて最初に目に入る絵とクラシックな椅子。
下足収納のドアもウォールナットにして落ち着いたインテリアに。
手すりを設置して靴の脱ぎ履き時も安心。
■ リビング・ダイニング・キッチン
一日中光の差し込む空間に
2間続きの和室をオープンにしてリビング・ダイニングに。
リビングの天井を小屋裏まで上げ、以前は天井に隠れていた梁を出してインテリアとして楽しめるようにした。
梁上に照明器具をつけている。
窓を作って明るくしたダイニング。
取れない柱はルーバーを足して唐突感を消した。 右手の壁は新しく作った耐震壁。
出窓だったところにニッチを作った
暗く孤立していたキッチンを移動してLDとつなげオープンに。
冷蔵庫は左手の壁で隠している。
■ 和 室
客間としての和室
キッチンがあった場所を和室に。
息子夫婦が来たときに泊まれる部屋になる。
一部が階段の段裏になっている床の間。 入り口の襖戸は奥様が選んだ江戸から紙を貼っている。
■ 書斎・アトリエ
それぞれが自分の時間を楽しめる居場所に
2つあった玄関を1つにして、空いたスペースをポーセリンアートを楽しむための奥様のアトリエに。
リビングの一角に設けた、ご主人の書斎スペース。
■ 水 回 り
使いやすく居心地の良い空間に
椅子を入れて使うこともできる洗面台。
左手の勝手口の外は物干し場になっている。
鏡の裏に照明を入れて少し華やかな空間に。
■ テ ラ ス
外からの視線を遮り、リビングを広く見せる効果も
リビングの床と同じ高さのウッドデッキ。高めの塀で囲い込むことで、リビングが続いて広く感じられる。
隣家の窓がある位置に、板塀を設けて視線を遮っている。
【 玄 関 】
天井から床までの下足入れ。
棚板は靴の高さに合わせて調節できる。
扉裏にはスリッパをかけておけるバーを設置。
【 寝 室 】
夫婦の寝室の入り口にある奥行きの浅い壁面収納。 衣類などを大量に収納できて、扉を閉めると存在感をなくすことができる。
【 水 回 り 】
いつもはオープンの洗濯機上の収納棚には、お客様時に隠すロールカーテンを設置。
【 納 戸 】
和室の隣に美術品や本を収納できる納戸を設けた。
収納と動線
キッチンのゴミ箱は、シンク下にあるのが使いやすい。調理しているとき、手を伸ばすだけで捨てられる。
ダイニングで音楽を聴くため、カウンター内にCDを大量に収納できるスペースを設けた。
書籍を見つけ、住まい講座に参加させていただき、ご相談したのがきっかけでした。
リフォームという制約があるなかで、室内はもちろん、玄関エントランス、中庭デッキまで統一感のある洗練された色調・デザインで仕上がりました。
また、断熱をやり直し、ほとんどの部屋の壁と天井に珪藻土を採用したため、クーラーをあまり使わなくても夏は涼しくとても快適です。
提案していただいたカーテンも各部屋にマッチしています。特にリンビングからカーテン越しに見える庭の景色が四季の移ろいとともに楽しめています。来訪者からも素敵で帰りたくないと褒めていただく程です。
ところで太陽光発電システムの導入も検討しましたが、まだ蓄電池の耐用年数などコストパフォーマンスが悪く断念しました。 グリーンエネルギーの需要が高まるなか、脱炭素社会を目指す動きにも注目していきたいと思っています。