住宅のような温かみのある幼稚園
・所在地 埼玉県新座市
・敷地面積 2680.11㎡
・延床面積 123.16㎡ (計画部分)
・構造規模 木造2階建
・施工会社 五洋建設工業株式会社
お寺の敷地内にある大きな幼稚園の分室として、午後の保育用に使用している別棟の保育室。
園からは保育時間が長い子どもたちが過ごすので、住宅のような温かみがあり、安心して過ごせる空間にしたいとの依頼。
明るく、開放感のある空間で職員が全体を見渡しやすくしている。
■ 外 観
園庭を囲んで向かい側には子どもたちが朝から過ごす園がある。
昼食後、午後保育で残る子どもたちはこの建物に移動して、夕方までの時間を過ごす。
子供によっては、お迎えが暗くなってからになることもある。 寂しくて泣きだす子どもがいると聞き、照明は電球色を使って室内を温かみのある雰囲気に。 内部は自然素材を使っている。
■ アプローチ
足洗い場と下足入れ。
園庭で遊んだ子どもたちは、ここで足を洗って建物に入る。
大きな掃き出し窓を開け放せば、園庭に直接出入りすることができる。 縁側のように腰かけて過ごすことも。
■ 室 内
保育は年齢を区切らず思い思いに過ごす。 部屋を区切らず広々とした空間に。
窓を開け放すとさらに開放感がある。 園庭をはさんで東側に教室棟が見える。
朝の日差しが強いときは、シェードを下ろす。 西側の壁面に木のロッカーを設けた。
左手に身障者トイレ、掲示板、2階に上がる階段、右手が休憩室。 小窓は階段途中にある。
ロッカーには子どもたちのひとりひとりの荷物や本を収納。
具合の悪い子や、眠くなった子が休める畳の休憩室。
その左手には、二階に行く階段がある。必要なときは施錠できる。
床の板材は床暖房に対応できる厚みのある北欧のパイン材を使用。 やわらかいので、子どもたちが素足で飛び跳ねても安心。
天井のレッドシダーは軒に続いている。 壁は珪藻土を使用した。
最後の一人が帰る頃の室内。
■ 水 周 り
子どもたちの手洗い場とトイレ。
汚れものを洗濯したり、シャワーを使えるユーティリティスペース。
車いす用のトイレ。
■ 2 階
2階へ上がる階段。 天井が低く穴倉のような感じで、子供たちの遊び場にもなっている。
階段の小窓から見た保育室。 子どもたちの様子が見下ろせる
2階は、大人にはぎりぎりの天井の高さだが、子どもの背の高さにはちょうどいい空間。
カウンターがあり、思い思いに過ごせる場所。 ここから園庭を見下ろすこともできる。
2階奥の納戸。 子供たちの隠れ部屋にもなっている。