・所在地 神奈川県川崎市
・敷地面積 526.46㎡(約159坪)
・延床面積 232.74㎡(約70坪)
・構造規模 木造2階建
・家族構成 夫婦+子供2人
・施工会社 (株)内田産業
・担当者 湯下奈津子
ご両親が住んでいた家と自分たちが住んでいた家(築35年)が建っていた160坪の敷地に、ご夫婦と成人したお子さんたちの4人で住むための新しい家を建てることに。
「近くに住む二女と孫たちや訪れる親戚たちが気兼ねなく滞在できるように」というご要望に沿って、広くても動線がよく、暮らしやすい間取りになるよう心掛けた。
■ 外 観
以前から敷地入り口に立っていた門かぶりの松を、建物と調和するように残した。
敷地の角(写真右端)にあるお稲荷さんは、建物の塀につなげて整備した。
古くなったお稲荷さんの社には新しい屋根をかけ、垣根を取ってオープンに。
地域の方もお参りする大切な場所になっている。
■ アプローチ
ドアを開けても通りからは見えないように、玄関までのアプローチを蛇行させ、プライバシーを守りつつ閉鎖的になりすぎないエントランスにした。 前庭には折々に変化する草木を植え、建物の前を通る人にも四季を感じてもらえるように。
■ 玄 関
法事などで大勢の親戚が来ることを考え、靴をたくさん並べられるようたたきを広くした。
ドアの両側をガラスにすることで、家の中からも外の緑が楽しめ、光が差し込む明るい空間に。
左手の入り口はご主人の仕事部屋に直接つながっている。 打ち合わせに来た人はこちらから上がってもらうことができる。
靴の脱ぎ履きがしやすくなるように、ベンチを設置。
高齢の来客にも便利。
玄関の正面に設けた大きなピクチャーウインドウ。
シンボルツリーが真ん中に見えるように、ウッドデッキをくりぬいている。
右手が母屋。 左手が仏間のあるはなれにつながる。
■ リビング
母屋の中心にある吹き抜けのリビング。 2階への階段と渡り廊下を設けた。
居室が広く使えて、2階にいる家族の気配も常に感じられる空間に。
階段のそばに小さい窓を設け、風通し良く。
低い位置から自然の風を入れ、天井のファンでかき回すことで家全体に涼しい風が回る。
テレビ台を壁の幅に合わせて広くしたことで、空間がすっきりと見える。
2階の渡り廊下の奥が娘さんの部屋。
開放感あるリビング。
吹き抜けの高い窓からは、家の奥まで光が届くので、日中は自然光で過ごすことができる。
左側の壁には、凹凸のあるレンガタイルを使用。時間とともに陰影が変化する様子を楽しめる。
■ ダイニング
大人数で囲むことが多い食卓。 テーブル周りにはたっぷりの収納を設置。
ダイニングの奥は洗濯もの干し場に続く家事室になっており、日中家事をする場所が近くにまとまっている。
■ キッチン
背面収納が充実していて、使いやすいキッチン。
庭に出るための勝手口は、奥様が漬物を仕込むための土間になっている。
勝手口の土間に樽置き場を作り、ここで漬物漬けの作業ができるようシンクを設けた。
この土間は原家の食卓を支える大事な場所。
キッチンと勝手口の間には2畳ほどのパントリーを設けた。
■ 和 室
玄関から直接入ることができるはなれの仏間。 母屋とは中庭を挟んで対峙している。
本家なので、法事などで人が集まることが多い。 テーブルは納戸にしまうことができ、ときには客を泊める部屋にもなる。
居室のアクセントになっているルーバーは、見せたくない吸気口を隠す役目もある。
人通りが多い道に面する南側の窓は、幅の狭い上げ下げ障子に。
下を開けると庭の植栽が目に入る。
仏壇の扉は開ければ折りたたまれ脇に収納されるしくみ。 扉を閉めてしまえば、仏壇の存在感を小さくすることができる。仏壇と神棚の間には板を一枚挟み、結界を設けている。
寝 室
夫婦の寝室。
ベッドの間には引き戸があるので、閉めて個室として使うことが可能。
寝起きする時間が違っても、気にせず休むことができる。
寝室には夫婦それぞれのウォークインクローゼットを設けた。
引き戸を閉めた状態でも、それぞれの部屋から出入りすることができる。
■ 子 供 室
娘さんの個室。
カウンターの一部は下をオープンにして、デスクとして使えるようにしている。
■ 渡り廊下
2階の渡り廊下は、吹き抜けの開放感を生かすため、手すりをガラスにしている。
手前は夫婦の寝室と洗面室、奥は娘さんの個室。
渡り廊下から見下ろした景色。
デッキを挟んではなれが見える。
■ 水回り
1階の洗面室。
上部に採光のための窓を設けて明るい空間に。
左側の壁にはリネン収納を設けた。 奥行きは浅いが、床から天井まであるのでたっぷり収納できる。
お客様も使う、1階のパウダールーム。
掃除道具などはカウンター下のキャビネットに収納。
■ 自転車置き場
玄関へのアプローチ脇の自転車置き場。
通りには見せたくないものを、塀の陰に置いておける。
■ 夜 景
夜、ライティングしたときの家正面の表情。
打ちっぱなしのコンクリート塀に名前を彫り込んで表札代わりに。
光を当てると文字が浮かび上がる。
庭側の夜景。